6. ゴールポストの向こう側

6. ゴールポストの向こう側

課題:ケンカまたはラブシーン

ジャンル:BL

 

人物

新堀卓夢(17)高校二年生
高本圭祐(18)卓夢の恋人
福地翔真(16)卓夢の後輩
部員A
部員B

 

本文

〇学校のサッカーグラウンド
 部員たちが練習をしている。
 部室に向かって歩いていく高本圭祐(18)の姿。

 

〇部室前
 「サッカー部」という看板。
 圭祐がドアを開ける。

 

〇部室中
 ふてくされた顔でベンチに座っている新堀卓夢(17)。
 卓夢はドアが開く音で顔を上げる。
 ため息交じりに圭祐は

 

圭祐「お前なぁ……」

 

 そっぽを向く卓夢。
 圭祐は隣に座る。
 圭祐が卓夢の顔を覗き込もうとする。
 と、甘えるように卓夢は圭祐の肩に頭をもたげる。
 卓夢は右手を、圭祐の手の甲から腕をつたい、肩へと這わせていく。

 

圭祐「お、おい……」

 

〇グラウンド
 部員たちが練習の手を止め、集まって部室のほうを見ている。

 

部員A「こりゃ、モメてんな」
部員B「そりゃ1年にポジションとられたら、卓夢も面白くないだろ」
部員A「高本キャプテンの推薦だからなぁ」

 

 部員たちは一斉に福地翔真(16)を見る。
 心配そうに部室のほうを見る翔真。

 

部員A「ちょっと、様子見に言ってみようぜ」

 

 部員たちが部屋のほうに向かう。

 

〇部室前
 ドアをそっと開けようとする部員A

 

〇部室中
 開けたドアの前に圭祐が仁王立ちしている。
 部員たちは驚く。
 奥のベンチには卓夢が座っている。

 

圭祐「何してんだ!いいから練習に戻れ」

 

 圭祐はドアを音を立てて閉める。
 と、卓夢が後ろから圭祐の背中にしがみつく。
 圭祐は少し微笑んで、卓夢の手を上からしっかり握る。

 

圭祐「お前は俺に選ばれたんだから、いいじゃないか、フォワードはあいつの番だ」
卓夢「僕、負けたくないんです。誰にも獲られたくない」

 

 圭祐、振り返って卓夢を抱きしめる。

 

圭祐「わかった、わかった。見せてくれよ、次の試合で」

 

 卓夢は圭祐の胸で幸せそうな表情をする。

 

(ペラ5枚)

 

講評

三角関係がよくわかるシナリオです。これからどうなっていくのかドキドキします。
BLは難しいのですが、ラブシーンが美しく描かれていて良いですね。