WordPress(ワードプレス)は世界中でいま最も多く使われている、オープンソースのCMSです。
サーバーにインストールされたWordPressに、ブラウザ上からログインすると、簡単にWebサイトを更新したり、サイトのデザインを変更することができます。
最近は多くの方がアメブロなどのレンタルブログを利用していますが、WordPressはこれらのブログサービスと同じように、ブラウザから自分の管理画面にログインして、ブログやウェブサイトの更新を行うことができます。
WordPressで何ができるの?
WordPressはもともとブログソフトウェアとして開発されたシステムですので、本来はブログを作るためのものなのですが、その拡張性の高さから、個人のホームページ、企業サイトやショッピングサイト、大手メディアなどでも広く利用されるようになっています。
WordPressで作られたウェブサイトの例
ほんの一部ですが例を挙げておきます。
- New York Times
- TIME MAGAZINE
- 東京藝術大学
- 京都大学
- 早稲田大学
- 日刊SPA
- 伏見稲荷神社
- 渋谷109
- くまもんオフィシャルサイト
さまざまなサイトを作ることが可能だと言う事をお分かりいただけると思います。
WordPressの歴史
私達が日常的に見ているインターネットのウェブサイト、WWW(ワールドワイドウェブ)が誕生したのは1991年です。
1994年ごろから一般ユーザーもインターネットに接続し、WEBを見ることが出来るようになりました。
日本ではWindows95の普及ともに、一般家庭にもインターネット回線が引かれるようになり、同時に『ホームページ』を個人が作るようになってきました。
当初のウェブサイト(ホームページ)は、ページを1枚1枚、HTMLタグというコードを記述して作らなければなりませんでした。
次に、ホームページ作成ソフトと言うものが作られ、知識がそれほどなくても、ウェブサイトを作ることが可能になりました。
しかし、ウェブサイトのページがどんどん増えるにつれ、ホームページ作成ソフトを使ってでも、更新が面倒な作業になっていきます。
そこで2000年ごろ誕生したのが、CMS、コンテンツマネジメントシステムでした。
あらかじめデザインの枠組みはつくられていて、ユーザーは文章を書いてボタンを押せばいいだけという画期的なシステムです。
2001年、今のWordpressの前身である『b2 cafelog』が誕生しました。
それまであったのは、非常に多くの機能がある複雑なCMSしたが、b2は非常にシンプルな「ブログ」形式。
これは当時としては画期的でした。
ところが、時をほぼ同じくして誕生した、ライバル『Movable Type』が爆発的人気を博し、b2はいったん影を潜めることになります。
2003年、b2の構造を継承し、『Wordpress』が誕生します。
Movable Typeのシェアに押されつつも、バージョンを追うごとに機能を強化し、ユーザーを着実に増やしていきます。
2003年、Movable Typeがライセンスの改変を行い、実質無料ではなくなったことからユーザーが離れ、完全なオープンソースであるWordpressに流れていきました。
そして現在まで、Wordpressは不動の地位を維持し、日々アップデートが進められています。
この間、数多くのCMSは出来ては消えていきましたが、Wordpressの人気は当分続きそうです。
WordPressが無料なのはなぜ?
WordPressはオープンソースで、フリーソフトウェア財団 によって公開・維持されている『GPLライセンス』という決まり事で使用が許可されています。
フリーソフトというのは、「使用料金が無料」というだけで、何でも勝手に使ってよいというわけではなく、それぞれの使用上の注意があるのです。
GPLライセンスについては深い知識が必要ですので、ここでは割愛しますが、以下の自由が保証されています。
GPL ライセンスは、利用者に以下の4つの自由を保証します
– いかなる目的に対しても、プログラムを実行する自由
– プログラムがどのように動作しているか研究し、必要に応じて改造する自由
– 身近な人を助けられるよう、コピーを再配布する自由
– 改変した版を他に配布する自由
やってはいけなことの例としては、Wordpressを改造し、独自の機能をつけたものを有料で販売することなどがあげられます。
改変して再配布する場合も、必ず同じGPLライセンスでなければなりません。
また、このWordpressのライセンスがGPLなのはなぜかというと、前身であるb2がGPLだったため、それ以外の選択肢がなかったということです。
WordPressはどこの会社の製品?
WordPressは特定の会社が製品として取り扱っているものではありません。
WordPress自体はオープンソースのソフトウェアで、有志のユーザーが協力して開発しています。
開発費用はボランティアや寄付で賄われています。
※レンタルのWordpressである、Wordpress.com は WordPress(b2)の開発Matt氏が設立したAutomattic社が管理・運営しています。
注:Wordpressサイト制作業者とは違います
オープンソースのWordpressは、ソフトウェアの部分で、デザインや記事などを別途行うサイト(ホームページ)制作業者はまた別です。
制作業者やデザイン事務所にWordpressの設置・デザイン・管理などを依頼する場合は、費用がかかります。
もちろん全部自分でやれば、無料です!
完全に無料なの?
WordPress自体は無料ですが、設置するためのサーバ(インターネット上の土地)や、ドメイン(example.com のような住所)は有料になります。
無料のサーバなどもありますが、アクセスが多くなると止まったり容量が少なかったり、広告が出たりするので、長期間きちんと運営するなら、最初から有料のサーバ・ドメインを利用することをおすすめします。
- オープンソースとは:プログラミングソースコードが公開され、改良や再配布を行うことが許可されているソフトウエアのことです。
- CMSとは:コンテンツマネジメントシステムの略で、Webサイトを管理・更新できるシステムのことを指します。
- サーバーとは:インターネット上のデータ保存スペース、ここにウェブサイトを保存します。
- ブラウザとは:ウェブサイトを閲覧するためのソフトウェア、インターネットエクスプローラー、エッジ、グーグル・クロームなどがあります。