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「私は男より預金通帳が好き」カン・ソジェ に学ぶ、猛烈にお金を貯める方法。

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三年間で一千万円を定期預金だけで貯蓄した、韓国の27歳独身女性のエッセイ。

著者はこの本のことを、節約ノウハウ本ではないと言っているけれど、ミニマリスト、ミニマルな暮らしをを目指す人が参考になる、節約のコツが豊富に書いてあります。

マゾヒスト向けの節約本

生活の全てを犠牲にしたような、かなり極端な節約アイディアが多いです。
自分をいじめぬくのが好きな、マゾヒストタイプの節約家にはピッタリでしょうね。

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この方法をとると「全てにおいてセコくなる」と、筆者自身も自嘲しています。
表面を読んだだけだと、”節約ばかりの人生なんて楽しくない。”と思うでしょう。

ですが、人生のある時期に、何か一つ目標を持って、がむしゃらに何かを実現させるということは素晴らしいことです。
それが彼女の場合、「貯金」だったというだけのこと。

”お金を貯める”この不安定な社会で、これほど明確な目標があるでしょうか?

本のレイアウトは『ブリジット・ジョーンズの日記』にインスパイアされたようなデザイン。
文体、読み心地は軽快です。

韓国人の著者ですが、中村うさぎや村上春樹など、日本人の名前が文中に多く登場するのも興味深いですね。

さすが放送作家だけあって、とても面白いエッセイに仕上がっています。
節約本として参考にするかどうかは別として、ライトな読み物としても、かなりおすすめの一冊です。

3年間で一千万円貯めた彼女の方法

最初に彼女は22万円の収入のうち、生活費6万円だけを残して、16万円全てを貯金するという方法をとります。

生活費の物価が日本より随分安い韓国だから、3年で一千万円を貯めるのは、もしかしたら日本よりも楽なのかもしれないですね。

彼女の収入は月額22万円。日本の若い女性の手取りのお給料とそれほど日本と変わりませんが、支出がかなり違います。
韓国のほうが断然、生活費の支出が安いです。

日本だったら、都会に住んでいれば、生活費月6万円だと、家賃すら出せないこともありますよね?

友達の結婚式のご祝儀が、日本円にしてたったの約3000円でいいんだそうです。
羨ましい話ですね。

そして、韓国の定期預金は利息がずいぶん良いようです。

文中に”10ヶ月で満期の定期預金に350万円入金して、利子が7万円”というから驚きです。

これだと年利2%以上ですよね?
日本だと5年金利でもせいぜい0.5%あったら超高金利だっていうのに・・・。

(ただ、別の部分では”定期の通常金利は0.4%”と書いてあるので、日本でいう定期預金とはまた別の金融商品なのかもしれないです。)

また、著者の職業がフリーの放送作家という立場なので、普通の会社員よりも、副収入の仕事を増やすことができるようです。
それは誰もが簡単に真似できることはありませんね。

いろいろ韓国の経済状況ならでは、彼女の職業ならではの好条件もあるようですが、最低限の生活費だけを決めて、それ以外の全額を、”簡単には引き出せない定期預金に入れてしまう”というのは、日本でも通用する強力な貯金手段には違いありません。

私たち一般的な日本人も、3年で1千万円は難しくとも、5年ないし10年かけてこのような生活を続けていれば、かなりの貯蓄はできるのではないでしょうか。
数年の年月というのは、意外と短いものです。

お金を貯める具体的な方法

著者は以下のように述べています。

1)目標金額を決める

金額を決めると、目標額に一日でも早く辿り着きたいという意欲が、常に気持ちを奮い立たせて、ついつい「1枚だけ」服を買ったり「一杯だけ」お酒を飲んだり「今回だけ」とパーッと散財したいという気持ちを抑えられる。

2)お金は足し算方式ではなく、逆算方式で

月々いくら貯めるというようなのんきな方法では、長い時間がかかる。
いつまでに1千万円貯めるか決めれば、毎月いくら貯めるべきかが具体的になり、目標への短期実現につながるのだ。

3)収入を月収ではなく日収で考える

月収20万円だとすると、日収約7千円。
5千円のブラウスを買う場合、月収20万円のうちの5千円は大した金額ではないが、日収約7千円のうちの5千円を使ってしまうのはかなりの散財。そう思って財布の紐を締める。

その他参考になった節約例

お金の貯め方以外にも、生活スタイルでちょいちょい参考になった部分があります。

  • 服はユニフォームのように決まったタイプの服を着続ける。
    ポリシーがあってかえっておしゃれに思われるとのこと。

スティーブ・ジョブズも10年以上同じ黒いタートルとジーンズだったのだからありえない話ではないですよね。
自分にぴったり合うユニフォームを、考えてみたくなります。

お金を貯める効用

著者は、「貯金が一千万円あれば、何も買わなくても幸せを感じられ、ネガティブな感情が入り込まない効果がある」と言っています。

通帳にお金がたっぷりあると、別にお金を使わなくとも、万事が楽しく、満たされた感じがするためだ。以前いくらも持たない私がバンバン使っていたのは、そうやって「見栄」を満足させでもしなければ、ほかにとりたててしあわせを感じられる拠り所がなかったということなのだろう。

なくて使えないのではなく、あるのに使わない、それは偉大なことなのだ、と。

今のご時勢、お金を使わなければ経済が回らないのではないかという批判もありそうではありますが…。

少ない収入の頃から苦労して節約すると、小さなお金を大切にすることを学べ、恵まれない人への募金など、正しいことに使おうという心のゆとりができるというものだと、著者は記しています。

彼女の金持ちに対する考え方が変わったくだりでは、感動で涙すら覚えました。

貯金が多くなると気が大きくなって、せっかくためたお金を使ってしまうんじゃないかと心配になるかもしれません。
しかし、彼女はそうではないと言います。
通帳を作ると、早くお金を入れたくて仕方がなくなり、使うのが惜しくなってしまう、と。

私は彼女までの極端な行動は出来ないですが、今日、これからのお金の使い方は間違いなく変わりましたね。