前回の記事で、シャドウイングについて、100回ほどやると良いと書きましたが、もう少し詳しく方法について触れます。
100回というのは、かなり量が多いので、大変ですし途中で飽きてきます。
漫然とやっていても効果は少ないので、とりあえずのルールを決めておくのが良いです。
ディクテーションの後で行います
ディクテーション(聴いて書き取り)をして、答え合わせをやった後にシャドウイングをします。
↓ ディクテーションの方法はこちら
英文の意味がわからなかったら日本語も読んでおいて意味を知っておいてください。
ただしこの時点では文法がわからなかったり、意味が完全に理解できていなくても構いません。
100回シャドウイングの方法
シャドウイングをする音声は、パート3と4の会話文を使うことにします。
全部で23トピックあり、長さは22秒~44秒くらいです。
100回やるとなると、それだけでも単純計算で37分~73分になります。
ただ、続けて同じことをやり続けると集中が切れるので、以下のような変化をつけてやってみるのも良い方法です。
1) 最初は、とりあえずついていく10回
何も見ないで、最初はなかなかついていけないと思います。それでOK
途中飛ばしてしまうこともあるでしょう、とりあえず、たどたどしくてもついていきます。
目標:聴こえてくる音をマネする
2) 解説文を見ながら、止めながらついていく10回
今度は、解説の英文を見ながら、区切りのいいところで止めて、
意味の区切りの部分に / スラッシュ を入れます。
スラッシュごとに止めて発音します。
耳に残っている発音をマネしながら。
慣れてきたら、英文を見ないで、意味の区切りごとに止めて発音します。
できるようなら、区切りを長くするのも良いです。
目標:意味の塊をしっかり理解する
3) もう一度、止めずについていく10回
スラッシュを入れた解説文を見ながら、止めずについていきます。
1回目より少しマシになりましたか?
目標:英文を読み進める目をスピードアップ。音声についていく。
4) 音声を聴かないで、音読10回
耳に残る発音を意識しながら、音声を聴かずに音読してみましょう。
スラッシュをした区切りごとに理解し、英語がそのまま理解できる感覚をつけます。
重要なのは、空(そら)で漫然と音読するのではなく、意味を意識しながら音読することです。
慣れたらどんどん音読のスピードアップをしてもOKですが、英文からは目を離さないでください。
英文を指でたどると集中できます。
目的:英文を確実に読解する。
5) ノートを見ながら、止めずにシャドウイング10回
今度は、自分がディクテーションで書いたノートを見ながら、シャドウイングします。
間違えて赤で修正しているところ、聴き取れなかったところは、発音もつまってしまうのです。
納得できない部分は、そこだけなんども繰り返してどのように聴こえるかを確認します。
どうしても聴こえてこないときは「そういうもんだ」と思って、そのまま耳と口を慣れさせましょう。
目標:自分の間違える部分を発見する。
例)私の場合は、
○ I forgot my library card and I
が
x I forgot my library card then I
に聴こえました。
card and I
の部分を良く聴くと、『カーデナイ』 のように聴こえるのがわかりました。
card then I
だったら、『カーデンナイ』と聴こえるはず。
このように耳と音声のギャップを埋めていきます。
6) ノート見ながら、止めながら発音10回
止めずにシャドウイングすると、ついていけない、発音できないところはあいまいに飛ばしてしまいがちになります。
ここでしっかり、聴き取れなかったところの発音を意識しながら、ゆっくりでいいので音読してください。
ノートにカタカナで自分なりに聴こえてくる発音を書きこんでもいいです。
わかる部分はスピードアップして大丈夫です。
目標:シャドウイングで発音できなかったところをしっかりおさえる。
かんたんな単語が聴き取れないことはよくあります。
ネイティブは、単語をつなげたりして、きっちりと見たままの発音はしていないのです。
たとえば as it is
アズ・イット・イズ
ではなく
アージ”リ”ーズ
のように聞こえたりします(リが強く発音されているかな)
7) 何も見ずに、止めずにシャドウイング10回
どうでしょうか?だいぶできるようになりましたか?
もしも、あいまいなところがあったら、チラ見でカンニングしても構いません。
また、発音がつまってしまうところは、止めて繰り返しても良いです。
大切なのは、かぶせて発音するのではなく、必ず、英文を聴きながら、少し遅れてついていくことです。
慣れてくるとどんどん発音スピードがあがって、同時になったり、追い抜いてしまったりしますが、そうならないように注意します。
ここまでくると、わかるところはほぼ完璧に英語を英語として理解できます。
目標:シャドウイングの上達を体感する。
8) 日本語の訳をみながら、英語に訳す10回
今度は、解説冊子の日本語部分をまず読んでください。
英語の意味の区切りごとに、スラッシュを書くと良いです。
それを見ながら、同時通訳のように英語をしゃべっていきます。
曖昧だったら横の英語をチラっと見ても構いません。
しっかりと発音してください。
日本語の語順と英語の語順が違うので、かなり難しいですが、英語の感覚が身につきます。
目標:日本語の意味と英語を一致させる。
9) 止めずに、見ずにシャドウイング10回
かなり英語を英語のまま理解して発音することができてきているはずです。
完璧じゃなくても構いません。
目標:最初に比べて上達したことを体感する。
重要なのは、英語を聴いて、それを頭で理解したうえで、少し遅れてついていくことです。
何度も書きますが、かぶせて同時に話すと、意味がわからなくても出来てしまうので、効果は低くなってしまいます。
・・・ここまでくると本当にクタクタになっていると思います。
合計90回やりました、ここで休憩します。
10)時間を置いて、止めずにシャドウイング10回
オススメは寝る前に、やることです。かなり覚えているはず。
意味の区切りを意識してついていくことを忘れないで。
目標:復習して定着させる。
・・・以上、100回シャドウイングの実践例でした。
もちろん、自分なりに方法を変えてみたり、休憩のタイミングを調整しても構いません。
ただ、シャドウイングは10回くらいではなかなか効果がでないので、大変だと思いますが、がんばってください。
この練習は、必ず実を結び、一生の力になります。
一日の勉強時間について
身も蓋もないですが、多ければ多いほど良いにこしたことはありません。
ですが、時間のない学生さんなどは最低でも1時間、理想は90分は確保できると良いと思います。
どうしても一日用事があるときは仕方ないでしょう、ただし1日休んでも、2日は休まないようにしてください。
早く起きて1時間、家に帰って30分くらいなら、なんとかなるのではないでしょうか。
この時間で、一日、リスニング問題の1問が消化できると、1ヶ月弱でTOEIC公式問題集の1回分が終わる計算になります。
シャドウイングの回数について
理想は100回ですが、実際にやってみるととても大変です。
2時間近く口を動かすことになりますので、喉を痛めてしまうことがありますから注意してください。
あまりに大変すぎて続かなくなることは、避けなければなりません。
大変だったら、回数を半分にしてみてください(各段階を5回ずつにする)。
漫然といやいや100回やるより、集中して充実感を感じながらの50回のほうがいいです。
シャドウイングをする時間を分けてやる方法もアリですが、忘れてしまったり、後にやることが残るほど嫌になりがちなので、できるだけ朝一にまとめて済ませてしまうのが精神衛生上おすすめです。
大切なのは、毎日続けることです。